先月末にタイを訪れた際、何人かのタイ人のフリーランサーに会う機会がありました。
“タイ人は映像に強い”という印象が以前からありました。先日お会いしたフリーランサーの方は、どの方も映像・アニメーションのスキルが高く、レベルの高さに少なからず驚きました。10ページ程度のサイトであれば、35,000B(日本円10万円前後)~で請け負ってくれるようです。
タイのインターネット世帯普及率は8.6%(約580万人)、首都バンコクでも27.2%です。2009年の日本の普及率は75%前後です。今のタイの普及率8.6%は、日本だと1998年前後の水準です。
タイ人のクリエーターと話していて、タイではデジタルデバイド(インターネット・パソコンに関する知識の差から生じる格差)が顕著に起こっているんだな~と感じました。日本でも10年くらい前はデジタルバイドが色濃く、ホームページを作るだけで儲かりました。ですが、徐々に作ること自体が重要ではなくなりました。ホームページをどのようにビジネスに繋げるか、マネタイズするかが重視されるようになった日本では、ホームページを作るだけで儲かるのは稀になったと思います。ウェブ制作のクリエイターが、一般的なサラリーマンよりも稼ぐ事が難しいのが今の日本の状況です。当時フリーランサーだった知人のほとんどは組織に属しています。
日本のウェブサイトのインターフェースはとても進んでいるので、いまのタイの状況を上手に利用して、タイ人が驚くようなマネタイズできるサービスを展開したいと日々考えてます。
タイの携帯市場ですが、政治不信、景気後退、新型インフルエンザのトリプルパンチで今年はどのキャリアも苦戦中です。
タイの最大手のAISですが、2009年1-3月期の利益が、前年の同期比で10.9%減(45.7億B)、4-6月期の利益が、前年の同期比で33.7%減(42億B)、7-9月期の利益が、前年の同期比で7.7%減(41.8億B)と減収減益が続いています。減益の主な原因は、携帯端末が売れてない事です。
1-3月期は通話料・サービス収入5.5%減、携帯端末の販売収入が31.4%減の20.3億B
4-6月期は通話料・サービス収入6.5%減、携帯端末の販売収入が47.7%減の16.4億B
4-6月期は通話料・サービス収入5.0%減、携帯端末の販売収入が45.3%減の15.9億B
不況下では、携帯電話の買い替えが大好きなタイ人でも、さすがに控えるようです。
キャリアの苦戦がまだ続きそうなので、中古携帯の取引や端末のレンタル、日本のように端末の料金を月額で払うようなビジネスが伸びそうですね。
タイは日本とは違い、携帯電話と通信を提供する会社は自分で選ぶことができます。
通信を提供している会社でもっとも大きい会社が、シェア44%のAIS(Advanced Info Service)、2位がシェア30%のDTAC(Total Access Communication)、3位がシェア23%のTure Moveです。
1位AISの親会社はタクシン元首相が設立したシン・コーポレーションです。2006年にシンガポールの政府系投資会社テマセクに一部の株が売却されましたが、主要株主はシンコーポレーションの42.7%であり、テマセクは19%の出資比率です。AISはシン・コーポレーションの本体でもあり、タイ有数の時価総額を誇ります。現在の社長はタクシン元首相の妹のインラック・チナワット氏。
2位のDTACは、Total Access Communicationが正式名称ですが、タイ語のDii(良いという意味で、ディー)に略称をつけて、D-TACと呼ばれています。タイの華人系財閥のベンジャロンクン家が1989年に設立し、1995年にシンガポール証券取引所に上場しました。しかし、2005年10月にノルウェーの通信企業テレノール社が出資比率を引き上げ、現在はベンジャロンクン家ではなく、テレノールが経営を握っている状況です。
3位のTure Moveは、タイのコングロマリットであるCPグループ(ロンドン証券取引所上場企業)の系列会社です。CPグループは1921年に訪タイした謝兄弟が植物の種を販売して礎を作った会社で、種→家畜飼料→養鶏業→世界最大の肉鶏業者→世界最大級のエビの養殖と大きくなった会社です。CPグループは、中国にも積極的に投資をしており、中国最大の外資系企業だったりします。アジア通貨危機で大きく痛手を負ったものの、先見性があるんですね。
Ture Moveは、1990年にテレコム・アジアの社名で設立され、1993年にタイ・証券取引所に上場、2001年にテレコム・アジアとフランスのオレンジSA社が合弁してTrue Moveの前身を設立し、2004年にTure Moveとなりました。タイでiPhoneを独占的に提供・販売してます。
Ture Moveは、固定回線・有線などを合わせるとタイ最大の通信業者であり、バンコクの都市部ではTrue のWi-Fiが一杯とんでます。
今回、バンコクにあるジェトロのビジネスセンターというところに、仮のオフィスを3ヶ月間だけ置かせていただいてます。一ヶ月の家賃は10,500円。これとは別に一週間3,000B分のデポジット(回線使用料や部屋の清掃、コピー代など諸々)をジェトロに預けます。オフィスを退去する際にデポジットは清算されます。
ジェトロの正式名称は日本貿易振興機構(Japan External Trade Organization)で、名前のとおり日本の貿易の振興、開発途上国の調査・研究などを行っている独立行政法人です。スタッフは830人も抱えており、国内36箇所、海外54ヶ国72ヶ所という大所帯です。一つの拠点に平均すると8人程度のスタッフがいます。
ジェトロは外務省管轄の在外公館とも深い繋がりがあり、幅広い活動と調査報告をしてます。ジェトロのRSSを購読してますが、タイについても役に立つ情報が提供されているので、チェックしておいて損はないと思います。
海外に行くと日本のパスポートの強さを痛感しますが、ジェトロのような調査機関、外務省の方々、海外に進出している企業のスタッフの活動によるものなんだな~と感じます。。。
昨年のデータですが、タイに住んでいる日本人は約4万3千人、首都バンコクでは約3万人です。
日本人がもっとも多く住んでいるは、アメリカで約37万人、ついで2位中国の12万8千人、3位英国(6万3千人)、4位オーストラリア(6万3千人)、5位カナダ(4万7千人)と続き、タイが6番目となります。都市別だと、1位ロサンゼルス(6万1千)、2位ニューヨーク(5万1千)、3位上海(4万7千人)についで4番目です。
クーデターや空港の閉鎖など、ここ数年はマイナス要因が目立つタイですが、旅行者も100万人以上は訪れます。ハワイ(ホノルル)などとは異なり、タイへの旅行の目的は、仕事、家族旅行、卒業旅行、バックパック、エステ・マッサージ、ゴルフ、夜遊びなどなど、非常にバリエーションに富んでいるのが特徴だと思います。
タイはバイセクシャルな人が多いなどと言われますが、他の国と比べて特別バイセクシャルな人が多い訳ではありません。自分がバイセクシャルであることをカミングアウトし易い環境が整っているのだと、常々思います。ちなみに、私はバイセクシャルではありません、、、
自分に甘いけど、他人にも甘いというタイ人独特の考え方というか個性が、タイを訪れる日本人にとっても過ごし易いような気がします。
タイでは今年1月にiPhoneが正式に発売され、35,000Bと非常に高額にもかかわらず、発売わずか1ヶ月で8万台ほど売れたそうです。35,000B(バーツ)は日本円では、約10万円と日本よりも2~3倍ほど高いです。12月現在、タイでは既に20~25万台ほど売れているようです。
日本人からするとタイ・バーツは10倍すると日本円での金銭感覚に近いものとなるので、35,000B×10=35万円と非常に高価なものです。タイの大卒の給料が20,000B(50,000円~60,000円程度)ほどなので、iPhoneが非常に高価である事がわかります。
タイ人にとっては携帯電話が新しいことがある種のステータスであり、iPhoneには実際の価値以上のプレミアが付いているようです。ちなみに、タイのiPhoneはSIMフリーなので、色々と使い勝手が良いです。3Gが本格化するとiPhoneの利用率が更に増える予感がします。ちなみに月々の通信料はパケ放題+電話代300分込で月600B(1500円~2000円程度)です。
タイの携帯の普及率は52.8%らしいです。日本の携帯普及率が96%なので、日本と比較するとまだまだ普及していない感があります。タイは日本と異なり、決定的な格差社会なので、携帯の普及率もある一定の水準に達するとなかなか伸びない気がします。
携帯の音声はそれなりですが、問題なのは携帯でのメール交換です。相変わらずSMSです。電話番号を直接宛先に入力してメールを送るヤツです。日本では相手のメールアドレスが分からない時くらいしか、利用しないと思いますが、タイではこの音声通信の延長上のSMSが主流で、電話で直接話すよりも通話料が高いという代物です。
インドネシア・ベトナム・中国に遅れること1・2年弱、タイでも3Gの普及が徐々に本格化しているのをバンコクにいると感じました。去年から街中でiPhoneを持っている人を何人か見かけるようになり、今回の訪タイでもiPhoneを操作している人を何度かみかけました。
タイのAISなどの主要な通信会社が3Gを安く提供するタイミングで大きなビジネスチャンスが到来する予感がしてます。タイでiPhoneアプリを開発している会社も今回訪問しました。
余りの忙しさとネット環境が不安定だったため、ブログを更新する事ができませんでした。。。ホーチミン→バンコク→ハノイを経由して日本に帰ってきました。
バンコクでは、会社訪問や商談などスケジュールがびっちりで、日本で仕事をする以上に働いてしまいました。
今回の訪タイで、バンコクのラチャダムリにあるジェトロのオフィスを借りることができました。ラチャダムリはサイアムとシーロムというバンコクの2大繁華街に挟まれた閑静な一角です。近くにはフォーシーズンホテルやハイアットホテルなどがあります。
今回は6日間の滞在でしたが、タイでは商談をするにはたとえ1日でも緊急業務届の提出が必要になります。15日間有効な緊急業務届けを提出し、15日以上働くために必要な3ヶ月限定のワークパーミットもジェトロ経由で取得しました。
外国で働くのは色々と面倒ですが、もっとも厄介なのがワークパーミットです。3ヶ月限定とはいえ、非常に貴重なもので、これさえあれば、タイで銀行口座も作れますし、携帯電話の月額支払いでの契約もできます。逆に、ワークパーミットがないと、外国人が銀行口座を作るのは難しく、携帯電話もプリペイド形式のものしか契約できません。
タイでの出来事をまとめてまたアップします。では。