日本の携帯メールってなに?

先のエントリーでSMSが主流だと書きましたが、技術的に進んでいるのは当然、日本の携帯メールの方です。

日本の携帯メールは、少しだけ特殊なe-mail・インターネットメールです。SMSが日本で流行らなかったのは、携帯のキャリア間でメッセージの交換ができなかったからです。本来であれば、SMSをキャリア同士で使えるようにすれば良かったのですが、日本の通信技術が進んでいたので、SMSではなくて携帯メールを先にキャリア間で使えるようにしました。

携帯メールはインターネットを経由して配送されますが、各携帯会社は独自のプロトコル(通信手段)を持っており、ユーザがメールを送信する際には、独自のプロトコルをメール・ゲートウェイでMIME(インターネット用のメール形式)に変換し、SMTPで送信するという処理をしてます。受信する際にも同じ処理を行っており、メール・ゲートウェイでMIMEから独自の仕様に変換するという処理をしてます。

ドコモ、au、ソフトバンクがもっと協力すれば、携帯先進国の日本式が世界のスタンダードになると思うのですが、勿体ないですね。世界のインターネットはまだ遅いので、携帯で快適にインターネットをするにはまだ時間がかかりそうですが、中国・ベトナム・インドネシアと東・東南アジアでも3Gの波が徐々にきているので、3Gのビックウェーブに乗ろうと試行錯誤中です。。。

世界はSMSです

タイの携帯がSMSなので「遅れているな~」と思ってしまいますが、実は遅れているのは日本で、世界ではSMS市場が急成長中です。

SMS(Short Message Service)とは、携帯電話で電話番号宛にメッセージを送信、受信するサービスのことです。送信者が料金を払い、受信者は無料で受信が基本です。

日本では相手の携帯メールアドレスが分からない時に、利用されるくらいのマイナーなサービスですが、全世界ではSMSのメッセージ通信が主流です。現在の世界の市場規模は約10兆円で、2011年には17兆円規模にまで成長すると予測されています。

利用者は約25億人(世界の人口が68億3000万人なので3人に1人が利用)、ヨーロッパでは2009年の元旦に1億6000万のメッセージが送信され、イギリスでは2008年の1年間で800億メッセージが交換されたようです。

GSM(デジタル携帯電話の世界基準の通信方法)方式のほとんどの携帯電話事業者が、他のネットワークにメッセージを受け渡すためのゲートウェイを持っているため、キャリアが違ってもSMSの送受信ができます。また、文字コードがユニコードなので、シングルバイトの英語などの言語以外(タイ語や日本語・アラビア語)でもやり取りが容易です。GSM方式のヨーロッパ~東南アジアまでのユーラシア大陸、アフリカ大陸でSMSは普及し続けています。

技術的には日本の携帯メールに分がありますが、世界の人はSMSを使っているので、日本は世界のメール市場から置いていかれている状況です。とりあえず、SMSビジネスに乗っかりたいですね。

タイの携帯市場2009年

タイの携帯市場ですが、政治不信、景気後退、新型インフルエンザのトリプルパンチで今年はどのキャリアも苦戦中です。

タイの最大手のAISですが、2009年1-3月期の利益が、前年の同期比で10.9%減(45.7億B)、4-6月期の利益が、前年の同期比で33.7%減(42億B)、7-9月期の利益が、前年の同期比で7.7%減(41.8億B)と減収減益が続いています。減益の主な原因は、携帯端末が売れてない事です。

1-3月期は通話料・サービス収入5.5%減、携帯端末の販売収入が31.4%減の20.3億B
4-6月期は通話料・サービス収入6.5%減、携帯端末の販売収入が47.7%減の16.4億B
4-6月期は通話料・サービス収入5.0%減、携帯端末の販売収入が45.3%減の15.9億B
不況下では、携帯電話の買い替えが大好きなタイ人でも、さすがに控えるようです。

キャリアの苦戦がまだ続きそうなので、中古携帯の取引や端末のレンタル、日本のように端末の料金を月額で払うようなビジネスが伸びそうですね。

タイの携帯キャリアについて

タイは日本とは違い、携帯電話と通信を提供する会社は自分で選ぶことができます。

通信を提供している会社でもっとも大きい会社が、シェア44%のAIS(Advanced Info Service)、2位がシェア30%のDTAC(Total Access Communication)、3位がシェア23%のTure Moveです。

1位AISの親会社はタクシン元首相が設立したシン・コーポレーションです。2006年にシンガポールの政府系投資会社テマセクに一部の株が売却されましたが、主要株主はシンコーポレーションの42.7%であり、テマセクは19%の出資比率です。AISはシン・コーポレーションの本体でもあり、タイ有数の時価総額を誇ります。現在の社長はタクシン元首相の妹のインラック・チナワット氏。

2位のDTACは、Total Access Communicationが正式名称ですが、タイ語のDii(良いという意味で、ディー)に略称をつけて、D-TACと呼ばれています。タイの華人系財閥のベンジャロンクン家が1989年に設立し、1995年にシンガポール証券取引所に上場しました。しかし、2005年10月にノルウェーの通信企業テレノール社が出資比率を引き上げ、現在はベンジャロンクン家ではなく、テレノールが経営を握っている状況です。

3位のTure Moveは、タイのコングロマリットであるCPグループ(ロンドン証券取引所上場企業)の系列会社です。CPグループは1921年に訪タイした謝兄弟が植物の種を販売して礎を作った会社で、種→家畜飼料→養鶏業→世界最大の肉鶏業者→世界最大級のエビの養殖と大きくなった会社です。CPグループは、中国にも積極的に投資をしており、中国最大の外資系企業だったりします。アジア通貨危機で大きく痛手を負ったものの、先見性があるんですね。

Ture Moveは、1990年にテレコム・アジアの社名で設立され、1993年にタイ・証券取引所に上場、2001年にテレコム・アジアとフランスのオレンジSA社が合弁してTrue Moveの前身を設立し、2004年にTure Moveとなりました。タイでiPhoneを独占的に提供・販売してます。

Ture Moveは、固定回線・有線などを合わせるとタイ最大の通信業者であり、バンコクの都市部ではTrue のWi-Fiが一杯とんでます。